お知らせ/会社ブログ【2022年以前】

不動産のネット取引

不動産のネット取引

某amazonを例に挙げるまでもなく、今では大抵のものがインターネットを通じて買う事が出来ますが、不動産は今でも対面での取引が義務付けられてます。

今から15年ほど前、まだヤフーオークションが全盛期であった頃に、「今後は不動産もインターネットを介しての取引が増えるに違いない」と思う人が割といたのか、「マザーズオークション」という不動産専用のオークションサイトがありました。

割と派手にCMとかしてたのでご記憶にある方も居るかと思いますが、今は全然聞かないですよね?

それもそのはず、数年前に閉鎖されてます。

日本の不動産市場の文化に合わなかったなんて分析もされてますが、個人的には売主買主の心理を無視したシステム設計にあったと思います。

売主は少しでも高く売りたい、買主は少しでも安く買いたい。→でも物件を出品するのは売主なので、高値で出品されて更にオークション形式で値上がりを期待してる。→買主は高い物件が並んだサイトを見せられ、値下げの交渉どころか更にオークション形式で価格吊り上げをされる場合がある。→結果的に売主は売れず、買主は買えない市場が出来上がる。

このように事業として成立するわけがないんですよ。

物件には適正な価格っていう物がありますし、売り手も買い手も損したいなんて思ってないんですから、間に入る不動産屋が十分に双方にとっての最善を提示しなきゃならんわけです。

当時のシステムではそこまで出来なかったというよりは、そういう視点が丸っきり無いままに船出して座礁した感じですね。

 

海外では不動産のネット取引は割と一般的ですが、新築市場が80%の日本と、中古市場が90%の海外では事情が違い過ぎですから、海外のシステムをポンと持って来て通用する道理はありません。

未来はわかりませんが、今の「ネットで情報を探し」→「現物を確認して買う」というシステムは今後当分日本では主流だと思います。

不動産業界の展望は暗いなんて意見もありますが、それは50年以上先の話なんじゃないですかね。

 

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