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心理的瑕疵でどこまで価格交渉可能なのか

心理的瑕疵でどこまで価格交渉可能なのか

「大島てる」というサイトをご存知でしょうか。(http://www.oshimaland.co.jp/)

これは全国の事故物件を取り纏めた投稿サイトです。

公式なものではないのですべてを網羅しているわけではないのでご注意ください。古い事件とかは普通に網羅されてません。

以前にもブログに書きましたが、この事故物件と呼ばれる心理的瑕疵は非常に主観的なものです。そのため、見る人によって瑕疵になったりならなかったりします。

過去にあった話ですが、ある土地を買いたいというお客様が知人の方に「50年くらい前にその土地の辺りにあった家で自殺があったと思う」と聞いてきたというのです。だから大幅に値下げして欲しいと…。

さて、この「50年くらい前にその土地の辺りにあった家で自殺があったと思う」は心理的瑕疵と言えるでしょうか。お客様はそれを理由に大幅な値下げ交渉を希望されました。私は「その交渉はまず通らないでしょう」とお伝えしましたが、「それを何とかするのが不動産屋だろう!」と言ってご理解いただけず、結果としてそのお客様と売主さんとの間では契約は成立しませんでした。

まず「50年くらい前」が問題です。その頃からその土地の周辺にずっと住んでるという方は殆ど居ませんし、居たとしてもご記憶に残ってるとは限らないからです。当時10歳だったとしても60歳ですし、当時30代の方なら亡くなってる方も居ます。何より時期が曖昧なので当時の新聞とかで検索することも出来ませんし、「その土地の辺り」ということなので、場所の特定も出来てません。

要するに客観的に心理的瑕疵と呼べる事件なり事故なりがあったという話を担保するものが全くないのです。

こんな心理的瑕疵が通るのなら、歴史の長い京都や奈良なんかだと「300年前にここで辻斬りがあった」みたいな無茶な話が通ってしまいますし、広島市内中心部なんかだとほぼ全域が心理的瑕疵になってしまいます。

私のような不動産屋でもそんな無茶な価格交渉はさすがにできません。

心理的瑕疵はあくまでも客観的に確認できることが必要だと思ってます。

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